『新派特別公演 八つ墓村』@新橋演舞場
じゃにーず観てて、新派とか水谷八重子と波乃久里子とかが観られるって、ちょっと予想してなかったよね…。
(いや文ちゃんが犬神家の一族出てるんだけどさあ…文ちゃんてちょっと特殊な気がしちゃうじゃん…。。)
これは観たいよね…。
まぁ花添え現場っつーことで。(対母の言い訳)(や、母も観たいっつったんすよ!)
原作は未読の状態で観ました。ので、以下そのつもりで。
面白かった…。
新派の癖は強いので、好き嫌いはわかれそうというか、入り込めるかみたいなのはあると思うけど、でも面白かった。
し、よくできてるなと思った。
一昨年~昨年いろいろ観てから思ってるんだけどね、やはり大劇場というか大きな興行主のいる公演て、よくできてるんだよね…。商業的に成立させるってそういうことでもあるよな…。
水谷八重子と波乃久里子な…ほんとうに凄かった…。
なんかこう、空気が変わるというか。
役も、脅しで怖いんじゃなくて、本当に怖い人たちだった…。横溝エグい。
小梅・小竹の握り飯の後のシーンで、典子が辰弥に握り飯出すのちょう怖かった…。これは構成の妙だ。辰弥以上に客は怖くなるんだよ、凄い。あと、結果的にここは典子と小梅・小竹の対比もより鮮やかになるんだよな…。
現代劇(ではないけど…なんて言えばいいんだ…)で女方がいるの、違和感と言ってしまえばそうだし、それを芝居だからって観られるかどうかは受け手によるよね…。
個人的には鶴子が女方なの、最初気づかなかったくらいなんだけど、綺麗だったしよかったな…。
美也子と鶴子というあの村のある種「犠牲」になった女性を演じてるのが女方、なのかなー。(シンプルに美女二人という理由かもしれないけどw)
閉鎖的な村の話で、そういう気味の悪さというか薄ら寒くなる感じがずっとある。
座敷牢を囲む村人たちも気持ち悪かったけど、鍾乳洞の明神様のお面が外れて屍蝋が現れたときに、村長たちが「要蔵様は生きておられた…!」って喜ぶの本当にゾッとした…。(鶴子を助けない(むしろ従うよう要求する)とか辰弥を殺そうとするとか、そういう積み重ねがここで爆発する感じ)
戦争の影が濃い。
要蔵は日露戦争かな?青島で敵の砲台を奪取した英雄だけど帰ってきてからおかしくて、慎太郎は海軍将校のプライドを引き摺ってる(と見られていて)、辰弥はビルマから戻ってきた。田治見の男は3人それぞれ戦争・軍隊の闇を抱えている。要蔵以外はほとんど具体的には語られないけれど、抱えている、のはたしかだろうと思われている。(この戦争・軍隊経験、それぞれのキャラを表すものでもあるよな…。辰弥はビルマ…きっと一兵卒だったろうし超悲惨だったのでは…)
犬神家の一族も戦後の混乱が元にある話。
ある年代の人にとって、避けては通れないものだったのかな、と思う。そうであるならば、おそらくそんな風に戦争・軍隊を語りうる人はもう少なく、けれどこうして語られた物が残っている限りはあるいは。
辰弥は(映画を観たことのある母からなんとなく聞いていた通り)なるほどたしかに劇団外から若い子を連れてくる意味のある役だった。
龍太の芝居もよかった…!
辰弥は、財宝に目が眩む面もありつつ、気の強い面もありつつ、どこかずっと「独り」(だからこそ典子とのシーンが効いてくるし最後の場面が鮮やかになる)。美也子が終盤、辰弥を一目見たときに「本当の寂しさを知っている人」だとわかった、と言うのだけど、本当に。この座組での龍太の立場と辰弥とがリンクしているというのはもちろんあるとは思うけど、そこに頼ってるようには感じなかった、どちらかといえばそれはこちらの見方の話だなあと。辰弥は龍太の芝居で成り立ってそこにいた。
ラストシーンで金田一が「いいところですね」って言ったとき、正直、そうか…!?って思っちゃったんだけどw、でもその後、「ここをふるさとにしてもいいかなって」と言う辰弥が本当に、憑き物が落ちたような、それまでのいかめしい顔とは全然違った顔をしていてかわいくて。それ観た瞬間に全部受け入れた…。(…)
標準語、格段に安定したなあ。のべつ改の東京に比べると大阪でもだいぶ安定してたけど、さらに安定したというか安心して観られるというか。(のべつ改大阪って、もう八つ墓村の稽古入ってたね…!?) 感情的になると関西弁になるんだけど、これはactguideの齋藤さんの話からするに、龍太が関西弁なことと辰弥が神戸の人であること、からこうなったのかな。(元が関西弁のひとが)芝居でこの使い分けをするって大変だと思うのだけど、ほんと安定してたので凄いな~。
おたく的な感想を言うと…(…)
紋付き袴で出てくるシーンがあって、入ってきた瞬間不覚にもときめいてしまってとてもとても悔しい…ww 不意打ちだったのもあるとは思うけど、悔しいけど、あれは「ときめいた」としか言い様がない…悔しい…。
やー、なんでだろな!?自分龍太に関してそういう感じじゃないと思ってたんだけどな!?
そもそも今回オールバックなのでじゃには前髪命だと思ってる自分は外見的には嵌まらないと思ってたんすけどね…。龍太、オールバック似合うね…!?(…)
わりとずっといかめしい顔をしてるんだけど、最後はいかめしくなくて(慎太郎や典子、新居医師という若い人たちと打ち解けてる)、すごい童顔…!すごいかわいい…。(…)
なんか、やっぱり外部の中で一人じゃにーずいると、すごくじゃにーずだね…(当たり前)。なんか、かわいさが全然違う…。じゃにーずってすごい…。
あとこの最後の場面では神楽の練習をしてて、やはり手の使い方が綺麗…。(…) それだけでなく、神楽舞ってるの(練習だし普通の着物だけど)は観られて嬉しい…個人的な趣味の問題だけどw嬉しい…。
カテコで走って入ってきたの、じゃにーずの若い子って感じだったな~。
…これ、辰弥の話だよな…?
贔屓目かもだけどw
金田一は最後の謎解きのためにいる感じだし、喜多村さんのメインはむしろ要蔵ではこれ…。
ストーリー的にも、辰弥が尋ね人に応えて八つ墓村に来て殺人事件に遭遇して…って基本辰弥目線で進むし、辰弥めっちゃ出番ある…ほとんど出てる…。
辰弥的には、自分を知っていく話、なのだなーと思っている。母や父について知るだけでなく村で起きること出会う人たち…の結果として、自分を知る、のかな、と。あのラストはその上での結論なのだろうとすとんと入ってきたんだよね。最後のシーンは本当に顔が違って。それまでとの対比も鮮やかで、それがそうなるのは、そこまでの辰弥の孤独と最後いろいろ受け入れた辰弥っていう組み立てはもちろん、辰弥という役を龍太が丁寧につくっているからだよなあ、と、おもっている。
松竹座公演のPRとしてダイジェストがYouTubeにあり。(松竹座でキャストが変わる小梅小竹はビジュアル撮影時の映像っぽい)
辰弥がちゃんと結構出てくる…!
