『喫水線』(ヨモツヘグイニナ)
「海面のクラゲ」(渦保)
新人類クラゲのお話。
自信満々で、失敗してもめげないクラゲがいとしい。
その試みはいつか成功するだろうか。
「迎え火」(孤伏澤つたゐ)
限界集落の漁村の女の子のお話。
じりじりと、首が絞まっていくような心地がした。
村の子供は漁師か海女になって村の子供同士で結婚して村の子供を増やさなければならない、というか、そういうものだと、信じて疑わない村人たち。そこでは働く時間を削って学校へ行く(=知識を身に付ける)ことは村を裏切ることであり、異端者だ。
彼らへの反発を明確に口にしていたりりが、ある意味一番彼らの望む生き方をしたことが皮肉で挙句その生業によって早逝してしまったことが悲しい。
…こんな言葉さえ、感傷に過ぎないのかもしれないけれど。
息苦しくて、暑苦しい、世界だった。
私にとっては、何か言うことさえできないような、知らない世界なんだなと思う。なんならファンタジーの中の異世界よりも知らないような。私には想像もつかないところなのだと突きつけられた気がした。
