
ミントマイナスマイナス - ザネリ - BOOTH
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わたしたちは風とにおいの話をする。知っていることや気づいたことを教えあう。どこの団地の子も皆むかしからそうやっていて、風に息をのせて会話することだってできる。はじめからそういう人種や体質ってわけじゃない。生きのびるためそのように鍛え、磨く。風を嗅ぎ、息に声をのせ、肌の感覚を研ぎ澄ます。何かひどいことが起きたとき、大きな声や難しい言葉で叫べなくてもどうにかなるように。 郊外の団地に生まれ育った「わたし」は母親と二人暮らし。五十歳を過ぎ、いまは物流倉庫で働いている。あるとき旧友とその娘の古着屋を手...