ほなさいなら THE GREATEST SHOW-NEN 第15回公演

グレショーの舞台第15弾。(放送は20221203-20230114)

作・演出:野村尚平(劇団コケコッコー主催)

野村さんは漫才コンビ(令和喜多みな実)の人で、劇団は吉本芸人で構成。
立候補で出てくれた。

 

 

三兄弟(長男は音信不通、次男(雄二)も飛び出して帰ってこない)の母(キミ子)のお通夜が舞台。喪主は三男(三哉)。

最終話での前回までの振り返りで、三哉(佐野ちゃん)に責められた雄二(末)の「こんなこと言いとうて言うてると思うか?」からのシーンに「崩壊する兄弟の絆」(ナレーションは「壊れかけた兄弟の絆」)って出るんだけど、わたしはここの三哉の表情、雄二にも葛藤がある(ずっとあった)ことに初めて思い至った顔、だとおもった。いや正解はわかんない(し解釈の問題だとすればそもそも正解なんてないかもしれない)んだけどw、なんかこうもはっきり合わないとびびるよね…w
三哉、雄二に「よう喋れるようになったな」って言われた後すごく嬉しそうな顔するのもよかった。

「チビ、財布上や、ついてこい」って言われた正見(大晴)が「雄二の奢りちゃうん!?」って言いながらも慌ててついてくの、条件反射すぎてもはやかわいい。
昭徳(こじけん)はちょっと軽さというか余裕がある感じの人だな~。意外と?そういう役ってこれまであまりなかった気がするけどめちゃ嵌まってた。
博信、リチャが普通の役というか、飛び抜けたボケとかがない役をやってるのって意外と?珍しいような。こういうのももっと観たいな。

雄二が……末の芝居がほんとうによかった……。
いつもいいんですけど(…)
おかんは雄二のことを自分と一番似ててだからわかると言ってたらしいけど、だからこそ先回りして言っちゃうみたいなことが多かったのかなーとか想像してしまった。似ててわかるからこそ心配でつい怒ってしまって、それが雄二からすると「なんでいっつも俺が怒られんねん」になってたのかな……。(もしかすると真ん中っ子コンプレックスもプラスされて余計になんで俺だけってなってたのかも?)
ずっと反抗してるしジャイアンで、でも(少なくとも視聴者からは)嫌われはしない、絶妙な塩梅な気がする。雄二は雄二で反抗してしまう理由があったしおかんの死に際して後悔もある、それがわかるような脚本でもあるからだけど、末の芝居もとても好き。
雍介(正門くん)に「付きおうてくれ」って言ったり三哉に「よう喋れるようになったな」って言う辺り、口調や表情がそれまでと大きく変化してるわけじゃないんだけど、でも、たしかに違ってて。かっこつけなのであろう雄二がそういうことを言うときにちょっと顔がぎこちない気がするのとか。どの瞬間も「雄二の顔」なんだよな。(当たり前なんだけどさあ) 誕生日サプライズに気づいたときのニヤってしたのもちょう好き。ちょっとまだ雄二が残ってる、でも末の顔。
あと声がいいなと思った。普段より低くしてたとおもうけど、高さだけじゃなく、「雄二の声」だなあって。

雍介、なんとなく三哉とその幼なじみたちよりちょっと年上感というか大人感があるのがよかった。
正門くんてなんか変なというか謎な役多いよね…?w そういう役をやらせたくなる何かがあるんだろなあ。

わたし、雍介が一人ひとりの言葉を聞いてキミ子として返していくシーンが実はあまり入れなくて。ちょっと唐突感が強かったというか。(どうしても雄二に肩入れして観ちゃってたからというのもあるかもしれないw)
でも最終話、気づいたら涙ぐんでた。
この辺は脚本とか演出の話だと思うけど、(だからこそ?)ちょっと悔しいw

わたしの祖母は晩年を地元の施設で過ごし最期もそこで迎えた。最後の日(とはその時点ではわからなかったわけだけど)、夜勤の挨拶に来た介護士さんは、自分も地元の出身なのだと言っていた人だった。葬儀のとき、施設からも何人か来てくださった中で、彼は(シフトやらの都合もあるのだろうけど)1人で来て、御御堂でも1人で座っていて、泣いていた。その姿が妙に印象に残ったことを、雍介を観ていたら思い出してしまった。
思えば、施設に入って以降は家族よりも祖母と接していたのだよな。(つきっきりの介護が必要だったわけではないしスタッフはシフトなわけだけど、それでも一緒には住んでいないせいぜい月1の家族よりは)
きっと、キミ子さんにとっての雍介も、そうだった。

お通夜の話と聞いたとき、演技者。っぽい話だなと思った。なんとなく。思い返せば演技者。におけるお通夜の話(いくつかあった気がする)そんなに観てない気もするのでたぶんただのイメージなんだけどw
でもなんか、演劇っぽい演劇だったなとおもう。
最低限のセットとか。音楽とか。シンプルに芝居だけの感じとか。
(もちろんそうでない作品が嫌いとかいうわけではない)

ステスクでも放送でも触れられてたけど、最初の稽古でお互いを知るために車座になって喋ってたの、よかったなとおもう。
グレショーって稽古回数少なそうだし、演出家からすると、ともすればなるべくいわゆる芝居の稽古に時間を取りたいと思うものじゃないかと思っちゃうけど。そこでまず「メンバーを知る」ことに時間を使ってくれたのは、メンバーにとってもよかったんじゃないかなあ。ステスク(vol.59)で佐野ちゃんが、全員人見知りでいつもは演出家とたくさん話せるようになるまで時間が掛かると言っていたし。
そういう、演出家からのスタンスも含め、いい作品だったなとおもった。