僕はかぐや姫

『僕はかぐや姫/至高聖所』松村栄子(ポプラ文庫)

 

わたしと彼女たちは違うだろうとおもうのに、わたしのどこかは彼女たちをわかる気がしてしまう。もしくは、知っている気がしてしまう。
なるほどこれが小説か、とどこか他人事のようにわかったような気分がする気もする。何がわかったのか自分でもわからないまま。
文体はそれほど好みではない気がするのに、どんどんと読んでしまって、それが悔しくもあり気持ちよくもある。
たぶん、だからわたしは次々に本を読む。

 

17歳のときのわたしは何をしていただろう。真っ先に浮かぶのは放課後の教室で勉強していたことだ。自分の部屋よりもそこの方が進んだ。ほかに生徒がいても構わなかった。ほかの生徒も同じように一人で勉強していたから、いてもいなくても同じだった。たぶん、あの頃のわたしにとっていちばん心地いい空間だった。
自分の年齢が咄嗟に出てこなくなったのは26歳のときだった。何かの書類に年齢を書かなければならない場面で、突然、今自分が何歳なのかがすっと出てこないことに気づいた。25歳まではそんなことなかったのに。それからずっと、自分の年齢がすぐにはわからない状態で生きている。年齢が必要なときはいつも今の年と生まれた年から計算している。たぶん大人になりそこねた。否、なりそこねたかった。そういう歪さを気取っているだけだ、きっと。わたしなんて何でもない、何てことないモノだ。
たぶん、だからわたしは小説を書いている。