元年春之祭

『元年春之祭』陸秋槎、稲村文吾訳(HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS)

 

ときどき後ろの展開を確かめながら読んでしまって、自分がまじでミステリ読むのに向いてないことを痛感したけど、ともかく面白かった。

少女たちの、友情を結びたいと、友人だと思いながらも緊迫感のあるところとか、思い込みに動かされるところとか、閉じこめられている(ように思える)ところから広い世界に行きたいと思うところとか、自分にないものを持っているように見える(それは本人の性質のこともあれば環境のこともある)少女に嫉妬するところとか、一途なところとか、いろんな少女詰め合わせだったよ…。
露申と葵の関係もすごいけど、それ以上に葵と小休の百合というのが、読み終わっての第一印象。でも、雲夢澤を出た二人がどんな人生を送るのかは興味がある。もとよりわかりえないことなんだけど、でも。

この記事を書いた後でふと思ったんだけど、最後の葵の独白(とも違う気もするけれど)は、まるで犯人のようでもあるなと。少なくともわたしがこれまで読んだミステリでは、ああ言ったのは犯人だったと思う。もちろん、わたしがこれまでに読んだミステリなんてごく僅かなのだけど。

装丁・表紙が好き。
基本的に帯外さないんだけど(特に理由はない)、この本(というか表紙?)は帯ない方がいいね…。