『語るボルヘス――書物・不死性・時間ほか――』J.L.ボルヘス(岩波文庫)
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『七つの夜』を読んでみようと思ったのだけど、本屋の棚にあったそれのカバーの状態がちょっと…で、こっちを買ってきた。
私はこれまで人生の一部を文学に捧げてきました。その私の考えでは、読書というのは楽しみを得るためのひとつの方法なのです。それよりも劣りますが、もうひとつの方法は詩を書くこと、つまり創作と呼んでいるものがそれです。ただ、これはわれわれがそれまでに読んだものの忘却と記憶とが混ざり合ったものなのです。
人は二度同じ川に降りていかない
(ヘラクレイトス)
難しいところもあったけれど、ほとんど一気に読んでしまった。
今はわからなくても、いつかわかるかもしれない、と思える本。
本当にいつかわかるかもしれないし、何年経ってもわからないかもしれない。
その「いつか」のために本棚に置いておきたい本。
もっと言うと、この本が自分の本棚にあるということがいつかわたしの何かを支えるかもしれない、と思ってしまう本。
解説に出てきた『続・審問』も気になる。引用されていた、「時間に関する新たな反駁」の一説がとても印象的で。
われわれの運命は非現実的であるがゆえに恐ろしいのではない。逆行できず、鉄のように仮借ないがゆえに恐ろしいのだ。時間はわたしを作り上げている実体である。時間はわたしを押し流す川である。しかし、わたしはその川である。それはわたしを引き裂く虎である。しかし、わたしはその虎である。それはわたしを焼き尽くす火である。しかし、わたしはその火である。世界は不幸にして現実である。わたしは不幸にしてボルヘスである。
これは読んでみたいと思ってしまうと思うの…。
