文庫の初版第一刷(平成二十七年十一月発行)なので、結構前に買ったんだな…。
放置していたわけではなく、ちまちま読んでいた(いや間にちょこちょこ放置はあったと思うけど)ら、今や平成二十九年四月である。
最初(前書きを除いて)の「自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)」に書かれている、「どうしてあなたに、私の考えていることがそんなにありありと正確に理解できるのですか?(後略)」という質問に対する答え、
「(前略)もし自分の気持ちを理解してもらえたと感じたとしたら、それはあなたが僕の物語を、自分の中に有効に取り入れることができたからです」
を読んで、この本を買ってよかったと思った。
なんつーか、この一文だけでも、読んでよかったと思ったのだ。
いろいろ印象的だったけど、特に、は、「『アンダーグラウンド』をめぐって」の章。
私は『アンダーグラウンド』を未読だけど、この章は、とても印象的だったし重い気持ちにもなった。
フィクションの役割、ということを、少し考えている。そんなに重く、ずっと考えているわけではないし、自分が書くときにそんなことを意識しているわけでもないけれど、なんとなく頭の隅に小さくだけどずっとある石、みたいな感じ。

