『ロータス』柳川麻衣(痛覚)
ロータス
感想とも言えないようなものを、たんぶらーに2つ書きました。
→『ロータス』という本を読んだ。
20161124
少し前にネット上で評というか感想というか何というか…を見かける機会があって、文フリでも頒布されると前夜に知って買いに行った。
思わず怯むような厚みだったけれど、その場で少し立ち読みさせて頂いて、結局買った。
そして自分のブースに帰ってそのまま読み始めた。
なんだか途中で止めたくなくて、帰りの電車でも家に帰ってからも読んで、その日のうちに読み終えてしまった。表紙抜きで418ページ。
身体感覚が強いなあと思ってそこで自分にとっての他者の触感を思い出したり、演劇部に出てきた名前に懐かしくなったり、身近な人ではなくいつもステージ上のひとにときめいているような自分を思ったり、
そういう感じで、でも止まらなくて読み進めて。
最後に、唐突に、ある人を思い出した。
幼馴染でもなく、一時期、おそらく人生の時間からしたらほんのひとときを共にいただけの人。
大学で出会って、なんとなく気が合って、一時はそれこそ毎日のようにずっと一緒にいた。と言っても、ほとんど学校でだけだけれど。私より背が高くて、声も少し低めで、かっこいい、綺麗な人で、そのさばさばした外見や物言いとは裏腹に?中身は女性だった。
彼女は彼氏ができても私には言わなかった。でもあるとき数人でだべっていたら突然隣にいる私を振り返って、「振られた」と言った。彼女が何故、そちらだけを私に言ったのか、今でも正直よくわからない。でも、そのとき彼女がそれを言う相手に私を選んだことに、たぶん私は少し優越感を覚えていたと思う。
周囲の友人たちからは、もう二人でいればいいじゃん、と(そのときだけでなく)言われた気がする。我々も満更でもない反応をした。
彼女はその後も彼氏ができたことは私には言わず、数年後、私は彼女の結婚式に行った。
今でも特に連絡は取っていなくて、彼女の近況はいつも、たまに会ったほかの同期から聞く。二人目は無事生まれただろうか。そんなことさえ私は知らない。
その最後数行に何故泣いたのか、自分でもわからない。
懐かしかったのか、最近よく聴く曲のせいか、単に今感傷的すぎるのか。
彼女に恋愛感情を持っていたわけじゃない。私がときめくのはいつも男性だ。
それでも、彼女のような人はもう二度と私の人生に現れないような気がするし、私はずっとこのままなんじゃないかという気もしている。
未来のことなんてわからないけれど、少なくとも今は、自分が誰かを選び選ばれ、生活や人生を共にするということが、想像がつかない。
そういうことが、一気に押し寄せてきた。
自分も段々歳を取ってきて、家族が高齢になってきて、いずれ一人になるであろうということが現実味を帯びてきているということもあるのだろうけれど。
うーん、わかってたけど、全然纏まらないな。
せめて1日寝かそうかとも思ったけれど、それではきっと今の気分は書き残せないだろうから、不恰好なのを承知で書いた。きっと、すぐに消したくてたまらなくなるのだろうけれど。
こんなに苦しいのに、理由もわからないまま涙が出るし自分でもこの心をどうすればいいのか見当もつかないしそもそも自分が何をどう思っているのかがわからない、のに、
それでも、この本を買えたというだけでも、今日あの場に行った価値は、意味はあったと、そう思う。思ってしまう。
→『ロータス』という本について、以前書いた感想にもなっていないようなもの…とは別の、ただしやっぱり感想というより自分のメモ的な何か。
20161225
私は自分を主役タイプじゃないと思っていて、それは日常の役割に限らず、物語に接したときに誰に感情移入するかってときに、自分は主役じゃないだろう、と。主役に自分を重ねるなんておこがましい、と。
だから、この本を読んで最後にまるで輪の立場から桃重を思うように友人を思い出してびっくりした。だって、あんなにかっこいい蓮にまるで自分を重ねるようなこと。でも、あの思い出し方はどうしてもそれしかなかった。それが、今でもなんだか自分の中に捩じれがあるようで、そこは正直まだ処理できていない。
ついったーにも書いたけれど、すごく個人的なところを突きつけてくる本だったなあと思います。それが、私の経験によるものなのか、勘違いなのかはわからないですが。
でも、こういう、個人的なことを思わせる、のが普遍的な物語、ということなのかもしれないなとも思いました。
この物語を読みながらふと、私は自分の書く物語を誰に読んでほしいのだろう、と思いました。そういえば今まで考えたことがなかった。これもまだ、答えの出ていない問いです。もしかしたら、今後もずっと出ないのかもしれないけれど。
それともう一つ、この物語を読んで、私は、名前の付けられない感情を肯定したいのかもしれないと思いました。名前がないからといって存在しないわけじゃない、たとえ同じ名前でも中身がまるっと同じとは限らない、そういうことを肯定したいのかなあと。
そういう物語が書けていたら、今後も書けたらいいなあと、ぼんやり思いました。
(という、やっぱり感想というよりはメモ的な何か)

