大阪環状線
君の歌声が聴きたくて 1985
天王寺駅編

2019.12.23 13:00 @大阪松竹座

知ってた。自分がその気(?)になれば日帰りで大阪行って1公演観てくるような奴だって。何故なら9年前にやってるから。(…) 9年前と違うのは、平日に仕事サボって行ったことですね。や、大きな理由は開演時間だったんですけど。
何故行ったのかと言われたら、おたくだからとしか答えようがない…。(…) 初主演は一生に一度なんですよ…!

松竹座、初めて行った。地下鉄の14出口を出てそのまま歩き出したら思いっきり逆方向だったことは内緒です。出口から徒歩1分の場所行くのに迷うとは思わなかったよね。(たぶんあそこで迷うのはわたしだけ)
ちょっとびっくりなところにあったけど、クラシックな外観もいいし、中は平成に入って改装が入ってるからか綺麗だし客席と売店のフロアが分かれてるのいいなと思った。お手洗いが半分和式なのはあれだけど…(でも個室数は多い)。客席もわりと観やすい…気がしたけど1回だけなのでなんとも。

***

本編ざっくり感想。毎度のことながら、台詞等々ニュアンスで。

・2019年と1985年のクリスマスのお話
・2019年の幸太(龍太)(52歳)は眼鏡装備
 ・ギター売ってもらえなかった客から「年齢不詳が!」と言われて間髪入れず「魔女の血飲んでるからな」(客席の反応的にもしやアドリブなのかなとか思ったけどどうなんだろう)
・2019年の圭に話しかけるホームレス「持ってたら前に進める、それが夢や」
・圭の前に現れる朱里「口で語るな、心で感じろ」
・1985年の幸太(高3)、不良たちにびびられてて一瞬めっちゃ喧嘩強いとかかなって思ったら、お巡りさんに顔が利くので、たぶん口が達者で立ち回りが上手い(かつ面倒見がいい)ってことかなとおもった
 ・幸太「(そのエネルギー)世界平和にでも使え!」不良たち「どうやって?」に、ウルトラマンのポーズする幸太(腕直角に交差させて光線出すやつ)
 ・幸太に「何も出てなかったで」と言うお巡りさんw
・AirPodsはうどん(みたいなもの)
・ところでオトンはなんか、間?テンポ?が悪いというか、なんか一瞬遅い、気がする
 周囲がテンポいいから特に感じるのかなー(オカン役の方も漫才師なのね)
・環状線にもっと乗りたい圭「乗りたい〜!(駄々こねる)」幸太「(圭の言い方に合わせて)い〜や〜〜!……何やらすねん」圭「(ちっちゃい声で)ごめん…」
・幸太が最初に歌ってる曲も朱里のなのかな?
 アドバイス受けて変えたりしてるし、幸太が作ったのかなーという気もしたんだけど、でもキーが幸太には高い・真由の方が合ってるってことはやっぱり朱里の歌なのかな
 でもこの曲に関しては朱里のだとは明言してないしやっぱり幸太なのかなー。朱里の歌を手本にしたから高くなる、的な
・松本が幸太のこと呼ぶとこは「ミイラ」(たぶん日替わりアドリブ)
 ・去り際、ギターしまおうとしてる幸太(ほぼ後ろ向いてしゃがんでる)に「チャック空いてるよ!…うっそー!」
 ・思わずチャック見たら「うっそー!」言われて笑っちゃう幸太
 ・幸太を見ないようにする真由(舞羽さん)さすがw
 ・3人で花道捌けながら幸太「俺ほんまにミイラみたい?」否定してくれる真由ちゃん
・ラップの無茶振り
 ・パーカッション(は生でやってる)は長屋のおっちゃんらしいw
 ・幸太はヒガシマルのうどんスープの歌(企業名はナントカマルに変えていたw)
 ・オカンは、楽屋にいるといろんな人に会うんですよ、こないだ室くんのお兄さんに会いました、めっちゃイケメンやったわあ、はるか師匠の弟さんにも会いました、やっぱりハゲてたわあ、みたいな感じだったw
 ・お兄さんて出た瞬間後ろ向いた龍太かわいい(こら)
・圭を殴る幸太
 幸太が手出すのってここだけなんだよね。基本ツッコミだし手早そうに見えるけど、全然そんなことない、手は出さない子なんだよな(つまりここはそんだけキてるってことだ)
 ・幸太の反応すべてに「どうして?」って訊く圭
 ・ここは、「自分でもどうしたいんかわからん」というのを幸太が自覚して、それによって圭も自覚する、ある意味共有する、そのステップなのかなとか思った
・幸太「口で語るな、心で感じろ」
 これ、元は兄妹どっちの言葉だったんだろう!?
 オトンとかって可能性もあるかなとも思うけど、だったら劇中でオトン(なり、元の発言者)にも言わせそうだよなあと
 個人的には幸太だと思いたい。朱里の言葉だとしたら、幸太が朱里を内面化しすぎてて辛い…
・一幕最後の歌(Only for you)、この1回しか歌われないのもったいない
 歌詞も切ないんだ…
 ・歌ってる間に、幸太は朱里を、圭は真由を、真由は幸太を、見てるように思った。誰の視線も交わらない
・二幕、圭が朱里の歌の続きを知ってて、圭が朱里に会ってタイムスリップした、ことがわかって、
 ・「なんで俺のとこには現れんねん」(なんで圭なんや)と、
  (圭に時間を行き来する力があるなら)過去に行って朱里を連れて未来へ戻ってくれ(未来は医学も進歩して朱里の病気を治せる医者もいる)
  が幸太の中に同時にあるの切ないし苦しい
・しかしこの舞台、感情的に盛り上がるシーン(それ自体はすごくいい)が、なんかぬるっと流れちゃう感がある
 スッ…と場転になっちゃうんだよな…
 これは(脚本というよりは)演出によるものな気がする
・説得のためにまず幸太に話した不動産屋が帰るとき、
 社長が幸太の手を取ってちゅってして、部下1(次に社長になる方)も幸太の手を取ってちゅってして、
 部下2も幸太の手を取ったら
 幸太が部下2の手にちゅぅってしたww音させてちゅぅってしたww
 ・不動産屋が帰った後、台布巾で口拭く幸太ww
・天王寺トライアングル(幸太・真由・圭のユニット名)は、松本にコンテストに誘われた後の会話からするに幸太が考えたのか
 ・3人だからだろうけど、なんか一幕最後を思い出してしまった
 ・ちなみに白コート+オレンジのバンダナを首に巻く(ラスト、圭と再会して3人で歌うとき、真由がバンダナ持ってきてて幸太に2つ渡して幸太がその1つを圭に渡す)
・「明日の光」、
 環状線で朱里が歌ったときのラストは「音楽であなたは変わる」
 天王寺トライアングルが歌うときのラストは「音楽で世界を変える」
・コンテストで「明日の光」やってると現れる朱里
 圭が話してる間に、幸太の周りを回って、その右腕に触れる
 このとき幸太と真由は静止してて(ここはあくまでも圭とその前に現れた朱里の時間で)、つまり幸太はやっぱり朱里に会えないんだよね…切ない
 でも朱里は「もう思い残すことない」って言うんだ
・2019年に帰ってきた圭が喜ぶんじゃなくて、なんでだよって、3人で東京行ってレコーディングしなきゃなのに!ってなるのが
 切なくもあり、それだけ大事な仲間と夢中になれることができたんだよなともなる。いい
・でも、タイムトリップものって基本タイムトリップする人の視点で語られるから気づきにくいけど、
 実はタイムトリップしてきた人と会った人の方が切ない、んだよね…、
 と今回実感(今回は幸太目線だからわかりやすいのかも)
 ・階段上から、うずくまってる圭を見つけて降りてって
  (幸太が降りてる間に歩き出してる)圭に「圭…?」って声かけて、
  圭は気づいてないから「…はい…」って見もせずにほとんど無意識に返事してて、
  幸太は駆け寄って抱きしめて、
  それから顔を覗き込んで「わかるか…?」
  この声がすっっっっっごくいい
  ものすごく優しくて、でも優しさだけじゃないというか、そこに至るまでの切なさや痛みもぜんぶ入った優しさというか…これはちょっと言葉で説明できない…(悔しい)
・カテコは2回
・三方礼の手が綺麗(…)
・ダブルカテコで、テラと赤井さん(この辺はローテっぽい)と座長の挨拶
 ・テラ「(25日までやってるという旨で)クリスマスに予定ない方は」龍太「みんな無いわ」ww
 ・龍太の「素敵な共演者の皆さんと、素敵なスタッフさんと、そしてもちろん来てくださる皆さんで」って言うのすごくいいなと思った…(ここでちゃんとスタッフを挙げられるひとに弱いわたし…)(あとほんとに松竹座の人たちともいい関係なのだろうなとおもう)
・最後のお手振りで幕閉まる頃に2階の方見て「ワイパー」やってた
 声は出してなかったか小さかったかだと思うけど、あの口は「ワイパー」と動いてたw
 龍太のワイパーの動きかわいい…(…)
 ・ワイパーは大晴のギャグらしい


いいお話だったな…。
宣伝で本人たちが言っていた通り、ほっこりするお話。
でもただほっこりするんじゃなくて、痛みも苦みも切なさもあって、それでも、未来は夢がある時代だと、信じるお話。
圭は2019年が夢がある時代だと思ってないけど、1985年の幸太から見たら未来である2019年は夢がある時代。で、2019年の幸太も未来は夢がある時代だと思ってるの、すごいよね。そして2019年に帰ってきた圭は自分の夢を見つけている。

わたし2019年松竹の舞台5本観たらしいんですけどwまぁ滝沢歌舞伎は特殊なので置いといて(色々、松竹の舞台としては特殊なんだと思われる)、
勝手に旧来的な価値観のイメージがあったんだけど。勝手に。
思ったより、現代に合わせていっているのではないか、と思ったり。
大阪環状線、人情話っぽいし実際そうなんだと思うけど、でも家父長制的な家の話じゃないんだよね。むしろそれを外れていく(大人の側もそれを認める)話。オトンは幸太にうどん屋を継がせることが幸太の(&家の)幸せだと思ってるけど、オカンは好きなことやらせたいと言ってオトンも納得する。圭の両親(こっちは1985年ではなく2019年だけど)は離婚していて父親はまったく(会話の中にさえ)登場しない。不動産屋社長の女性は父の死により夢を諦めて会社を継いだけど、やっぱり夢を諦められなくて戻っていく。
ストーリーとしては夢の大切さみたいなものがひとつのテーマなんだとは思うけど、思ったより押しつけがましくなかったし。
まぁ、いくつも大劇場持ってる第一線の興行主なわけで、そりゃ時代も考慮してなきゃだよね…。(ここで滝沢歌舞伎について考え始めると終わらなくなるのでやりません)

***

楽は満員御禮の看板が出た(完売した)ようでよかった。じゃにだと当たり前みたいに思ってしまいがちだけど、松竹座のキャパは1033ある。12/13〜の13日間20公演(休演日なし)、楽はド平日(クリスマスといえど平日である)の11時開演。なので埋められたのはすごいと思うんだよね…。
(参考?までに最近行った東京の劇場(大劇場除く)、クロスシアターは180、新国立の小劇場はストラトステージ(スクアッドはこれだと思われる)で400、中劇場はプロセニアムで1038(思ったより…というか中劇場と言うわりには大きいな)、クリエは609、グローブ座は703、サンシャイン劇場は808、三越劇場は678、本多劇場は386、博品館劇場は381、ステラボールは1階が着席だと750で合計876。2018・19年に観た感じ、舞台&平日で埋まってるのってそんなになかった印象。大阪だと、ピロティが1030、ブリーゼは912。東京でもやる公演だと大阪公演は回数少ないし単純比較はできないけど…(最近は東京公演あれば基本東京しか行ってないのでどれくらい入ってるのかは知りません))

***

帰ってきて東京駅の八重洲側を歩きながら、そこが普段は行かない辺りなこともあってか、単に平日に仕事サボって慣れない場所へ行ったりしたからか、両方なんだろうけど自分でもよくわからないくらい、なんだか現実感が薄くて、大阪に馴染めない圭や1985年に来てしまった圭を思い出したりした。
舞台や小説(もっと大きく、ステージや本、と言ってしまってもいいかもしれないけれど)は“非日常”で、それは裏を返せば、“馴染めない今この現実”から連れ出してくれるものということでもあるのだ、ということを、知っていたつもりだったけど改めて実感した。
たとえほんのひとときでも、馴染めなかったり辛かったりする現実から連れ出してくれる魔法。
わたしにとっては、それを改めて教えてくれる舞台だったんだとおもう。

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